「そういえばさぁ」

「・・・なんです?」

「ボクらって似てない?」

「どうしてそう思うんですか?」

「・・・だってさ・・・ボクは透明人間でしょ?んでキミは幽霊」

「・・・共通点は?」

「カラダが透けるトコ」

「それだけですか?」

「・・・あとは・・・見えなくなったら、一人ぼっちになっちゃうトコ・・・かな」






・・・ここは、幽霊紳士の館である。
そこのとある一室で、ベッドにねっころがっているのはスマイル。
どうやら遊びにきたらしい。
ギャンブラーが大好きで、いつも片手にはギャンブラーのぬいぐるみがあった。
そして、この館の主人である幽霊紳士ジズは、いすに座って足を組み、
頬杖をつきながらスマイルと雑談を交わしていた。

細身の体を横たえて人形をいじりながら、スマイルはジズに話しかける。

「・・・でもさ」
「はい」
「今みたいに二人でいれば、一人ってこともなくなるね☆」

にっこりと笑顔で言うスマイルに、ジズは苦笑しながら答える。

「えぇ、そうですね。・・・ですがわたしは・・・この館で一人ですよ?いつも」

・・・そうなのだ。
ジズは、この少し暗い館で、一人で生活をしているのである。

スマイルはというと、吸血鬼のユーリ・・・そしてアッシュという狼男と共に、城に住んでいる。
一人になることはほとんどないと言っていいだろう。

「あぁそっか・・・。ねぇ、寂しくないの?一人で住んでて」

スマイルが問う。
その問いに、ジズは少し考える。

「うーん・・・。・・・もうずっとこうですからね・・・寂しいという感覚がないんです」
「・・・一人でいると、そうなっちゃうの?」
「・・・さぁ・・・それはわかりませんが・・・。少なくともわたしはそうなってしまってますね」

スマイルは起き上がって、少しだけ悲しそうな顔をする。
それを見たジズは、ベッドに膝をついてスマイルのうなじに手を伸ばした。
いきなりの事に思わず声が出てしまった。

「ッあ」
「・・・では、もしわたしが寂しいと言ったら・・・・・貴方はわたしのそばに、ずっと居てくれるのですか?」

・・・ほんの少し、『寂しい』という感情を知っているかのように、表情を曇らせたジズ。
ふいにシリアスな話題を持ちかけられ、しかもそんな顔をされてスマイルは戸惑った。
そのうちに、ジズはスマイルが着ていたコートの前を全開にしてしまう。
スマイルはベッドの上に包帯姿で倒され、ジズのエメラルド色の親指が、薄いピンクの唇をなぞる。

「・・・ゃ・・・くすぐったい」
「安心してください。すぐにそんな甘いことは言っていられなくなりますから」

にっこりと笑いながら、言っている事は鬼畜なジズ。
スマイルは一瞬ぞくっとしたが、ジズの言葉どおりすぐに快感に呑み込まれてしまっていた。






「じ、ず・・・ぅ」
「気持ちいいんですか?」
「・・・んっ・・・ぁんッ」

ジズの大きな手が、スマイル自身を握る。
体中に巻かれていた包帯は、ジズにいつもついている動く人形によって全てほどかれていた。
水色の綺麗な肢体が白いシーツの上で乱れる。

ジズがしごくたび、先端から白い蜜が溢れ、震える唇からはひっきりなしに妖艶な声が漏れた。

「っは・・・あ・・・ゃあ・・・ッ」
「・・・とても、綺麗ですね・・・スマイルさん」
「ちが・・・ッあ・・・あぁんっ」
「あれ、否定するんですか?」

突然ジズの手が動きを止め、そこから離れる。

「・・・ぁ・・・なんで」
「もっと・・・気持ちよくなりたいでしょう?」
「・・・ひッ・・・ゃだぁっ」

スマイルの秘部に、ジズのエメラルド色の指が入った。
先端から流れ出る白いミルクをうまく使い、ゆっくりと中を押し広げてゆく。

「やめて・・・ジズ・・・やめ・・・ッ」
「・・・でしたら・・・そんな誘うような声・・・出さないで下さい」
「ッ・・・・・ぅ・・・あぁ・・・ゃあ・・・っ」



・・・大きく脚を開かされ。
一番感じる部分に指を挿れられ。
耳元で低く甘い声で囁かれて。

・・・・・誰が、抵抗出来ようか?

誰が、喘がずにいられようか?


「ッあ・・・ジズ・・・ジズッ・・・やめてェ・・・っ」

赤い瞳から大粒の涙をこぼすスマイル。
ジズは汗ばんだスマの額に、ちゅっとキスを落とす。
涙をぬぐい、しばらくして落ち着くころ、ジズはびっしょり濡れた指を引き抜き、こういった。

「・・・嫌、ですか?」
「え?」
「わたしが貴方の中に入るのは・・・嫌ですか?」

じっと、スマの真っ赤な瞳を覗き込む。
その中に映る自分は。
ひどく、醜くて。

「・・・ねぇジズ」
「はい」
「ボクに・・・何て言って欲しいの?」

思いがけない逆質問。

「え・・・」
「『挿れて』って?・・・ボクをここまで追い込んどいて?」

ジズがだんだん責められていく。
・・・まぁ確かに、無理矢理ここまでしてしまったのはジズのほうなのだが。

「・・・今・・・ボクがどんなに辛い思いしてるか分かってないでしょ?」

そんなことをぼそっと言われたので、ジズははっとしてスマを見る。

「もしかして・・・本当にわたしを・・・拒んでましたか?」

本気で拒否されていたのだとすれば。
わたしはどこまで酷い事をしてしまったのだろうか。

「・・・ッすみま」

「・・・ぷっ・・・ヒヒ」

「・・・・・・・・・え?」
「何勘違いしてんのさージズ☆」

突然スマが笑い出す。
ジズは何が起こったのかさっぱりである。
謝ろうと思った矢先、ふざけたいつもの調子で笑い飛ばされたのだから。

「ボクは拒んだりなんかしてないよー?」
「・・・で、でもさっき『辛い』と・・・」
「・・・・・もしかして、まだ意味分かってなかったりする?」
「・・・意味?」
「ありゃりゃ・・・通じてなかったんだねェ」

・・・スマの突飛な発言に、ジズは戸惑うばかりである。
そんなジズの首元に腕を回すスマ。
ベッドの上にそのまま寝転がり、ジズが覆いかぶさるような状態になる。

「・・・あの、スマイ」
「襲って」
「!!」
「ボクさっきから・・・早くイきたくてしょーがないのに・・・ジズってばホントにやめちゃうんだもん」

・・・完全に、スマイルの勝ちである。

「・・・誘ってたんですか?」

ジズは苦笑しながら言う。

「そーゆーこと☆」

満面の笑みでスマが答える。


「ねェ・・・早く挿れてよ・・・・・はやくぅ・・・っ」
「・・・分かりました。では・・・行きますよ」

そういうと、脚をめいっぱい開かせ、
もうすでにびしょびしょに濡れていた後ろの蕾に、ジズのものをぐっと差し込んだ。

「・・・ッあぁぁ・・・っ!!!」

背が反り返る。
それを支えるようにしてジズが手を添える。
反り返った反動でスマの上半身を起こす。
そして、そのままひざの上に座らせた。

「・・・あ、ッは、あ・・・ッ」
「自分で動けますね」
「ん・・・やだ、突いて」
「・・・仕方ありませんねぇ・・・少しだけですよ?」
「やだぁ・・・ボクがイクまでっ」
「・・・めちゃくちゃにされたいですか?」
「あっ・・・あッ、ん、・・・して・・・」

もう、止められない。
快感が、カラダを突き抜けてゆく。
そのまま、溶けてしまいそうなほどに。

「・・・は・・・ッあ、ぁん、やぁっ」

部屋中に、声と濡れた音がこだまする。
突くたびにぐちゅぐちゅといやらしく響く。

「あッ、はっ、・・・ッゃん・・・イクぅ・・・っ」
「・・・そう・・・ですか、では・・・」

スマが顔を上気させてそう喘ぐ。
それを合図に、ジズもさらに鋭く突き上げた。

「・・・あッ!!ゃ、あ、あぁっ、・・・ッあぁぁ!!」
「・・・ッ!」

中に快楽の液を放つ。
スマは満足したかのように少しだけ笑いながら、ジズに体を預けて眠りについた。






「・・・おはようございます、スマイルさん」
「・・・・・ほぇ?・・・あ・・・はよ〜ジズぅ☆」

裸のままのスマが、体をおこして上機嫌にジズに抱きつく。
それを受け止めながら、にっこりと微笑む。

「気持ちよく眠れましたか?」
「もちろん!・・・ちょっと痛いけどね」
「すみません・・・やりすぎてしまいましたね」
「いいんだよ〜、すっごく気持ちよかったから☆」

そういうと、スマははっとして体を見る。
昨日のままびしょぬれで寝ていたのかと確認すると、

「体のほうは拭いておいたので大丈夫ですよ」

と笑顔でジズは言った。

「ありがとジズ☆」
「いいえ。そのままじゃ朝悲惨でしょう?」
「そういえばそうだねェ・・・ヒーッヒッヒ☆」

想像してしまったらしく爆笑するスマ。
そんなスマを見て、ジズもくす、と笑った。

くるくると表情が変わって。
不思議な言動で驚かせてくれる。

独りだなんて、そんなことはない。
寂しいなんて、そんなことはない。

貴方は生きているでしょう?

わたしもちゃんと、生きているでしょう?


・・・だって、ほら。

貴方をはっきりと、この目に映しているから。

fin.