大きな月が空に輝いていたある晩。
高く大きな城の窓から、白銀の神々しいまでの髪をなびかせ、月に向かって飛んでゆく姿があった。
紅い翼で風を切っていく。
女とも男とも似つかぬ、その美しい顔。
細くつりあがった、感情が読めぬ真紅の瞳。
ユーリはどうやら、散歩に行ったらしい。
・・・とはいっても、歩いてはいないのだが。
曲作りで、ずっと部屋の中にいたユーリは、少し気分転換をしようと外に出たのだった。
「・・・ふぅ・・・」
月明かりの下で小さくため息をつき、ぱたぱたと飛んでいると。
「ユーリ〜☆」
「・・・?」
ふと声がした方をみると、そこには見慣れた姿があった。
スマイルである。
自分の名前を呼びながら、手を振っているのがみえた。
「・・・そんなところで何をしている?」
「んー?何言ってんのー?聞こえないよー」
そういわれたので、ユーリは仕方なくスマイルのもとへと降りていった。
「・・・何をしていると言ったんだ」
「ああ。・・・なんかだんだん仕事がはかどらなくなってきてねェ。
むしゃくしゃしたから外に散歩に出てきたのさ」
はぁ、とスマイルが珍しくため息をついた。
なんだか落ち込んでいるように見えた。
「・・・オマエらしくないな。・・・何かあったのか?」
と聞くと、
「・・・・・何かあったように見える?ボク」
・・・と、さも聞いて欲しげに見上げてきた。
「・・・聞いてくれるの?」
「・・・」
ユーリは一瞬躊躇したが、
この後の予定が何も無かったことを思い出すと、まぁ構わないか、と考え直した。
「なんだ」
「・・・・・優しいねェ・・・ヒッヒッヒ☆」
「・・・・・早く言ってみろ。もったいぶるな」
スマイルはようやく話し始めた。
「あのね」
「・・・ああ」
「・・・ユーリが構ってくれないの」
「・・・・・待て」
―――・・・・・こいつに一瞬でも気を使ったのが間違いだった・・・。
「だっていつもアッシュとばっかり面白いコトしててさぁ。ボクのコト考えてくれてないでしょ?」
スマイルがユーリの顔をすねながら見る。
目線は合わさずに、小さくため息をつきながら答えた。
「・・・・・構って欲しいのか」
「構ってよ。寂しいじゃん・・・」
言葉の語尾が本当に寂しそうに聞こえ、ふとスマイルに目をやった瞬間。
「・・・・・ッ!?」
「ボクにも、楽しませて?」
どさっと音を立て、平らな表面の岩に押し倒されてしまった。
「・・・やめろ、離せ」
「自分で逃げてみれば〜☆」
楽しそうなスマイルの口調に少し腹を立てたユーリは、
カラダを引き剥がそうとするが、体格では確実に負けているためそれは敵わなかった。
押さえられている手首が痛い。
でも、なぜかカラダは熱くなっていた。
「顔真っ赤だよユーリ、恥ずかしいの〜?」
「・・・ッッッ・・・もう離せ・・・ッんぅっ」
スマイルの唇がユーリの赤い唇に重なる。
ユーリは抵抗できないまま、深い口付けに応えていた。
そのうち口の中にスマイルの舌が無理矢理侵入し、ユーリの舌が絡めとられて、思わずカラダをびくっと震わせた。
「ん・・・ッあ・・・・・」
艶っぽくあえいだユーリから唇をようやく離し、満足そうな顔で見つめて言った。
「・・・・・気持ちイイ?きっとアッシュの気持ちも分かると思うよ☆」
「・・・・・」
ふいとスマから顔を背ける。
それというのも、自分がこんなただのキスで、
スマイルの言うとおり気持ちよくなってしまったからだった。
悔しいが、カラダは正直に反応している。
「・・・・・どしたの?そんなにボクのコト嫌い?」
「・・・・・そんなことは無い・・・」
「・・・じゃ、なんで顔そむけんのさ?」
・・・・・答えられるわけがない。
「・・・・・なんでもない・・・」
「なんでもなくないでしょ〜?・・・あ、もしかして誘ってるのかな?ん?」
「・・・ひ・・・!」
首筋を舐められ、またも感じてしまう。
「・・・や・・・離せッ・・・」
掴まれている手首を解こうと暴れるユーリ。
だがうまく力が入らず、脱出は出来なかった。
スマイルは首に紅い痕をつけ、ユーリが着ていた服を脱がすと、白いきめ細かな肌をあらわにした。
首筋から、つ・・・と唇を下へ降ろしていく。
「・・・んっ・・・」
小さく洩れるあえぎ声。
ユーリはもう恥ずかしさで耳まで真っ赤にしていた。
もともと色白だから赤くなると一目で分かってしまう。
その妖艶な顔が、スマイルに火をつけた。
「・・・・・ねェ、ユーリ」
「・・・なん・・・だ」
「そんなに誘わないでよ・・・綺麗すぎてボク、どうしようもなくなるから」
「何言って・・・」
ユーリが反論しかけたそのとき。
「ッあ、あぁぁっ!!」
下の秘部に、熱いモノがねじ込まれた。
「・・・く・・・ぅ・・・・・ッッ」
「・・・力抜いて・・・ちょっとの辛抱」
あちこちにキスを落としながら、なだめるように言う。
・・・・・少したつと、痛さはあまり感じなくなった。
その代わり、ものすごい快感がユーリの華奢なカラダを突き抜けた。
「・・・ふ・・・あっ・・・あぁっ・・・!!」
規則的に突き上げられるたびに、呼吸に合わせて甘い吐息を零してしまう。
苦しい。でも、逃げられなかった。
・・・アッシュも今のユーリと同じように、痛いのを毎回我慢しているのだろうか。
スマイルが言っていたように、文字通りアッシュの気持ちが痛いほど分かった。
少し申し訳なさを感じながらもユーリは、スマイルから与えられる快感に身を震わせる。
「・・・ユーリ・・・ボクがどんなに君を好きか、分かったでしょ・・・」
「うっ・・・いゃ・・・っあぁぁッ」
生理的な涙が、白い綺麗な頬を伝う。
だが、開放される気配はなかった。
・・・目の前で寂しげに揺れる、青い髪の青年の瞳。
痛いコトをされているというのに、なんだかその姿が心苦しく思えた。
「・・・そろそろイきそうだね・・・でもまだイかせないよ?」
「・・・・・な・・・っぁん・・・ッ」
なんの前触れもなしに引き抜かれ、つい物欲しげな声をあげてしまったユーリは恥ずかしげに唇を咬む。
すると、さっきの悲しげな表情はどこへいったのやら。スマイルは妖艶な笑顔をみせた。
「・・・またすぐ気持ちイイコトしてあげるから、そんな声出さないで?」
そういった直後、蜜が溢れかえっている内股へ顔を埋めた。
「ぃやっ・・・あっ・・・はぁッ・・・っ」
「・・・んッ・・・ふ」
くちゅくちゅと音を立てて、ユーリ自身を嘗め回す。
これは相当な刺激を与えたらしく、白い液体が流れ出ていた。
だが、ユーリはスマイルの髪の毛を無造作に掴んで必死に喘ぐのをこらえていた。
舌を巧みに使って快感を紡ぐ。
スマイルの口の端から、つぅっと一筋蜜が溢れた。
「・・・やぁ・・・・・イくッ・・・」
頬を紅く染め、涙が幾筋も流れた痕がある。
眉間には必死に堪えている為しわが寄っている。
そんな顔をしていても、綺麗だと言える顔立ちをした、意地っ張りなユーリ。
そのユーリが、自分に向かって『イく』と、そう言ったのである。
嬉しくなるに決まっている。
スマイルはにっこりと極上の笑みを浮かべて、満足そうにいった。
「・・・ボクもイくよ。もう、堪えらんない」
ジュッと、勢い良く吸い上げた。
「ひっ・・・ぃやぁぁあ!!!」
ユーリはカラダを震わせて、スマイルの口の中に歓喜の涙を放った。
それと同時にスマイルも頂点に達していた。
「・・・おはよ〜ユーリ?」
「・・・ぅん・・・?」
・・・・・ベッドの上。
・・・・・裸。
・・・・・隣にスマイルが添い寝。
・・・・・朝。
「・・・う゛ッ・・・!!」
・・・・・腰痛。
「・・・気分はどぉ?気持ちよかったでしょ〜?ヒッヒッヒ☆」
・・・・・・・・・・思考停止。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・?どうし・・・」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ユーリはイキナリ叫んだかと思うと、勢い良く布団の中に潜り込んでしまった。
心臓がバクバク言っている。
顔もきっと真っ赤になっているに違いない。
(最悪だ――――――――――ッッッ!!!)
ばさぁッ!!
「うわっ・・・やめ」
かーわいーねェ、ヒヒ」
にぃ―――っこりとスマイル。
「もう一回しない?ユーリってば色っぽくってさー」
「うっ・・・うるさい離せぇー!!」
―――・・・・・当分、安眠は出来なさそうなユーリであった。
fin.