俺の相棒へ

心からの、感謝を









「ねぇ、もう一人のボク」

「ん?」

「今日また新しくデッキを作ったんだけど…ちょっとだけ、相手してくれないかな?」

「…あぁ、いいぜ」




相棒がこうして心のなかで話しかけてくるようになったのが、俺にはすごく嬉しかった。

話題は何でも構わない。
カードの話。
学校の話。
アドバイスはしてやれないが、恋愛の話だっていい。


相棒が話す時のその、
楽しそうな顔が 俺は、










「…キミの番…だけど」

「っ!…あ…ぁ、悪い」



カードをシャッフルしている途中に俺の動きが止まったのを疑問に思ったらしく、
相棒の丸い大きな瞳が、我に返った俺の目の前にあって心底驚いた。



「大丈夫…?」

「…あぁ、何でもないんだ…始めるぜ?」

「…?うん…?」






疑わしげに見上げながら、しかし早く新しいデッキを試したい相棒はカードを引いて、
ふっと笑って俺に先を促した。











「あー、やっぱり勝てないんだなぁボク…はは」

「だがなかなか強かったぜ。ギリギリまで攻撃してくるとはな」

「へへ、今回はそういう作戦で行こうと思ったんだ」






…その。
無防備な顔に、弱い。

俺と似たような顔をしてるくせに、どうして。

そんなに、そんなに。






「……相棒…」










見上げる瞳が。






俺の瞳を捉え、捕らえ。










「…パズルを組み立てたのがお前で、よかった」








俺がお前に呼ばれたのか

俺がお前を呼んだのか


どっちにしろ

時を越えて巡り逢えた
この奇跡に、

パズルを組み立ててくれた相棒に、感謝を。






「…多分」

「…うん?」

「…俺はお前が好きだ」

「ふぅん…………」









気付いて段々赤くなるのを、俺のこの目で見てやろう。

徐々に染まる頬に、
大きな瞳の上の額に、





「…ぁ」

「これからもよろしくな、相棒…」










小さな、
温かい感謝の印を。



fin.