・・・お前が幸せならそれでいい
そうやって 今まで 押し込めてこられたはず なのに













「・・・アッシュ」

「何スかユーリ?」

「・・・・・いや・・・なんでもない・・・」

「・・・?」








あまりにもうれしそうな顔をしているから
どうしてなのか聞こうとしたら
後ろにはあの、透明人間。


今日はオフ。
久しぶりの休暇で、この二人も浮かれた様子だった。
外に出かけるんだろう。




「・・・ユーリお留守番ヨロシクねぇ〜☆」

「すみませんッス・・・じゃぁいってくるッス!」





勝手に行けばいい。

そう思って、適当に手を振り返した。





・・・私はやることがなかったから、残った仕事でも終わらそうと自室の机に向かった。
作詞は私の仕事。
カリカリと字を書いていく音が、広い部屋にむなしく響く。
やはり私は、独りなのだということを実感させられるかのように。


すこしして疲れた目を休めようと目を瞑る。

・・・まぶたにふと浮かんできた、あいつの笑顔。

スマイルと一緒に
幸せそうに笑っている あいつの。








「・・・・・・」





さびしい?





そんな感情 無縁だろう?















「・・・ユーリただいまッス!お土産買って来たッスよ・・・って・・・」






・・・机につっぷして、いつの間にか寝ていた。
ふと目を開けたら、悲しそうな顔をして私を見るあいつが、そこにいた。

頬が、冷たかった。

自分の袖が、濡れていた。



「・・・アッシュ・・・」



名前を呼んだら。
頭から強く、抱きしめられた。



・・・胸が
痛くて 痛くて


何に対しての痛さなのだろうか



なぜこんなに 痛いのだろうか










「・・・寂しかった・・・スか?」




その言葉が耳に入った瞬間

涙が 止まらなくなったんだ。












「・・・スマイルのところに戻れ」

「・・・え?」

「私は平気だ」




・・・寂しい。




「・・・だから、戻って飯の準備でもしろ」




・・・そばにいろ。




「スマイルが腹をすかせて待ってるぞ?」




・・・私のそばに、いてくれ。









「・・・いいな?」

「・・・はいッス・・・じゃぁユーリ、あとで呼びに来るッスね」

「いや・・・仕事で疲れたのでな・・・少し眠りたい。・・・何か作り置きしておいてくれ」

「んー・・・分かったッス・・・ゆっくり休むッスよ?寂しかったら呼ぶッスよ!?」



目元を拭う優しさが。
寂しさをまた、倍増させる。









「・・・あぁ」






いくな。








「・・・おやすみ」















・・・パタンと閉められたドアを
まだ乾ききっていない目で 見つめた







・・・べつに

寂しくなんて ない









「・・・アッシュ」










寂しく ない から















「・・・・・・あ・・・」











・・・前が見えない

・・・言葉が紡げない



ならば、もう。
・・・眠ったら、いい。






・・・何もかも 押さえ込んで 眠ろう。








冷たい、ぬくもりのない
広いベッドで






何も見えないように、目を瞑って













届かない想いを 押し潰して

眠ったら いい

忘れたら いい。





fin.